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詳細蔵王福祉の森構想と持続可能な地域社会の未来
蔵王福祉の森構想と持続可能な地域社会の未来 – 大学院での学びを通じて
私事、4月より宮城大学大学院 事業構想学研究科に社会人特別選抜で入学が許可されました。同研究科ではソーシャルデザイン領域について学び、研究を進めることになりました。
同大学学群では5年前から非常勤講師として学生の皆様に事業構想について微力ながら講義をさせていただいてきました。これからは社会人としてしっかりと業績を出しながら、大学学群では講師を、大学院では研究生として、務めさせていただけることになり、心より感謝しております。
これまで株式会社ガイアの代表として、また医療法人や社会福祉法人、その他の複数の法人・団体の経営に携わりながら「蔵王福祉の森構想」を中心としたまちづくりを推進してまいりました。
本日3月11日は、2011年に発生した東日本大震災の日です。あの日、東北地方は甚大な被害を受け、多くの尊い命が失われました。改めて、震災で犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆様へお悔やみを申し上げます。
震災当時、私たちは「1人でも多くの被災された方の力になりたい」という強い想いのもと、みやぎ蔵王別荘協議会を通じて、蔵王山水苑の別荘地を避難所として開放・受け入れを行いました。震災は私たちに多くの試練をもたらしましたが、それと同時に「地域の力」が持つ大きな可能性と、共に支え合うことの重要性を再認識させられた出来事でもありました。
震災から14年が経過し、復興は進んでいるものの、今なお多くの課題が残されています。私は、これからも蔵王福祉の森構想を軸に、持続可能な地域社会の実現に取り組み続け、東北地方のさらなる復興と発展に貢献していく決意です。
大学院での研究テーマ – まちづくりの数値化と基準作り
大学院では、これまでガイアリゾートが進めてきた空き家活用、農福連携、移住促進などの取り組みをより体系的に分析し、そのプロセスと効果を数値化することを目的としています。
これにより、
• 産業の連関
• 住民増加の影響
• 耕作放棄地の有効活用
といった側面を明らかにし、まちづくりに必要な「人・モノ・金」の流れを可視化することを目指します。さらに、地域の規模や特性に応じたリーダーの適正人数や育成、地域活性化を担う人材教育の基準を示すことで、より効果的な地域振興モデルを構築したいと考えています。
この研究は、私たちが直面する社会課題の解決にとどまらず、同じような問題を抱える他の地域や団体、さらには個人にとっても参考となるはずです。
「蔵王福祉の森構想」の意義 – 産業と福祉を融合した地域づくり
「蔵王福祉の森構想」は、高齢化や過疎化が進む地域において、福祉と産業を掛け合わせた持続可能なまちづくりを実現することを目的としています。この構想のポイントとして、
1. 空き家の再生と移住促進 – 既存の建物を活用し、新たな住民を迎え入れる
2. 農業と福祉の連携 – 障がい者や高齢者が地域の農業に関わることで、社会参加と生産性向上を両立
3. 地域資源の最大活用 – 耕作放棄地や森林資源を有効活用し、新たな産業を創出
といった取り組みを進めています。特に農福連携は、農業の労働力不足を補いながら、福祉の新しい可能性を広げる仕組みとして注目されており、持続可能な地域モデルの中核を担っています。
また、「分散型ホテル(アルベルゴ・ディフーゾ)の国際認証」にも取り組み、地域全体を宿泊施設として活用することで、新たな観光の形を生み出しています。これは、地方創生の新たな可能性を示すものであり、今後の研究を通じてさらに発展させていく予定です。
未来への展望
震災を経験した私たちは、地域社会の持続的な発展には「共に支え合い、共に成長する仕組み」が不可欠であることを痛感しました。その学びを活かしながら、大学院での研究を通じてまちづくりのプロセスを理論的に整理し、より多くの人が活用できるモデルとして発信していきたいと考えています。
そして、地域社会が持続的に発展するための仕組みを確立し、日本全体の再生につながるヒントを見出すことが、私たちのゴールです。
「地域が変われば、日本が変わる。」
その想いを胸に、学びと実践を重ねながら、ガイアスタッフ一同、そして蔵王福祉の森構想を共に進める仲間たちと力を合わせ、新しい未来を創っていきます。
株式会社ガイア
代表取締役社長 蔵王福祉の森構想委員 相澤国弘
参考リンク
• 農福連携の可能性