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2025.06.12
ガイアの森に現れた「三鈷」——不思議なキノコ、サンコタケ
静かな森に、突然現れる異形の生命。
「 千年の森を創るプロジェクト」が進むガイアの森の中で、神秘的なキノコに出会いました。それが「サンコタケ(三鈷茸)」です。
朱色に輝くその姿は、三本の指のように地面から立ち上がり、中心に向かって丸く交差して、まるで仏教密教で使われる法具「三鈷杵(さんこしょ)」の形を思わせます。
この三鈷杵は、仏が煩悩(貪・瞋・痴)を打ち払うために手にする法具であり、密教においては悟りへ至る道を開く象徴とされています。サンコタケは、その三鈷杵の姿に似ていることから名づけられたのです。
また、サンコタケは独特の匂いを放ち、虫たちを惹きつけて胞子を拡げるという戦略を持ちます。美しさと不思議さが同居するその存在は、まさに“森の知性”とも呼べるでしょう。
ガイアの森は、ただ植物が生える場所ではありません。菌類、昆虫、小動物たち――すべての命が複雑に絡み合い、時に不思議な姿で私たちの前に現れてくれます。
私たちは今、千年先の森を想いながら、一本一本の木を育て、命の循環を守るプロジェクトに取り組んでいます。サンコタケとの出会いは、その森がすでに多様性に満ち、密やかに命の営みを育んでいる証です。